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体育倉庫のハイエナ
第17章 17
 愛撫の重点が肉芽に置かれている時、奈津子はまずは、その羞恥に満ちた姿勢を取っている体を強張らせる。

 快感に引き攣ったその表情は、(感じている女子はみんなそうだけど)苦悶に耐えているようにも、僕の目には見えた。

 唇を引きちぎれそうなほど真横に伸ばして、食いしばった挙げ句どうしてもそうなってしまう、並びの良い綺麗な前歯を剥き出しにしている。

 その歯の隙間から、やはり苦悶に耐え忍んでいるような声を漏らす。

「ンンンンンッッ――――」

 その目は、まるで持ちうる力の全てをそこに注ぎ込んでいるかのように、ギュゥゥッッ、と固く閉じられている。

 でもやがて、レンヤによって与えられる快感がその体の許容量を超えると、奈津子は固く閉じていた目を、まるで目の前に巨大な敵が迫ってきたかのように、カッと大きく見開いた。

 合わせて、食いしばっていた歯もやはり緩めて、唇を大きく開く。

「ンンンンンッッ――んはああぁッッ!」

 その唇から、歓喜に満ちた声を上げながら、窮屈な姿勢を取っている体をビックンッビクンと、まるで陸に打ち上げられた魚のように震わせる。

 それから奈津子は、今の自分が相当の快感を享受していることを、必死でレンヤに伝える。

「先輩ッッ!気持ちイイッッ!オマ×コ気持ちイイッ!気持ちイイよぉッッ!気持ちイイっ!」

 『気持ちイイ』を連呼する口ぶりが、どこか焦っているように思えるのは、程なくして新たな快感の波が訪れれば、会話もままならなくなることを知っているからかも知れない。
 
 それまでの限られた時間に、奈津子はレンヤへの純粋な好意の念を込めて、今の自分が至福の時間にいることを、出来るだけ伝えたいんだろう。

 実のところ、奈津子が語る間も、肉芽へのレンヤの舌の愛撫は継続されている。

「オマ×コ気持ちイイのッ!――あぁんっ――気持ちイイのぉッ――あふぅ、ふぁぁんっ――」

 その言葉の端々に、砕けた喘ぎの断片が迸るのもそのせいで、そして奈津子は、快感の詳細を語っているうちに、また全身を緊張させた。

 唇を引き攣らせ、歯を食いしばった挙げ句、会話はままならなくなる。
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