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体育倉庫のハイエナ
第18章 18
やがてレンヤが、その唇を奈津子の右の耳にそっと押し当てて、囁いた。
「ありがとう、奈津子……」
まずは感謝の念を伝えて、次にその理由を続けた。
「女の子にとって、イクところを男に見られるのって、結構恥ずかしいんだろう?…それなのに、俺に見せてくれて、ありがとう…」
すると奈津子は、右のほうに首を傾けて、そこにあるレンヤの顔を真正面から見つめて返した。
「だって、私、レンヤ先輩のことが大好きだから…だからイクところ見られるの、恥ずかしかったけど…平気です」
無論のこと、奈津子が“イクところ”を見たのはレンヤだけじゃない。
マットの傍らにいる僕も、そしてマサムネも見たんだけど、やっぱりレンヤに真剣に恋をしている奈津子の目には、僕たち二人は映っていないらしい。
「可愛かったよ…」
レンヤが奈津子の顔を正面から見返して、続けた。
「イク時の奈津子の顔、とっても可愛かった……俺、ますます奈津子のこと、好きになっちゃった……」
途端、僕は思わず吹き出しそうになったのを、必死で堪えた――レンヤだって笑いを噛み殺しながら、今の台詞を言ったんだと思う。
その目を寄り目にして、唇をアヒルみたいに突き出して――絶頂に到達した際の奈津子の顔は、“滑稽”ではあるものの、とても“可愛い”とは言えなかった。
寧ろ、折角の可愛い顔立ちを、絶頂の快感が台無しにしていたようにさえ、思われた。
一方、奈津子は『可愛かった』という賛辞をどうやら真に受けたらしく、嬉しそうに笑った。
それから二人はしばらくの間、互いに向けて愛の言葉を捧げ合いながら、ゆったりとしたキスに興じた。
「ありがとう、奈津子……」
まずは感謝の念を伝えて、次にその理由を続けた。
「女の子にとって、イクところを男に見られるのって、結構恥ずかしいんだろう?…それなのに、俺に見せてくれて、ありがとう…」
すると奈津子は、右のほうに首を傾けて、そこにあるレンヤの顔を真正面から見つめて返した。
「だって、私、レンヤ先輩のことが大好きだから…だからイクところ見られるの、恥ずかしかったけど…平気です」
無論のこと、奈津子が“イクところ”を見たのはレンヤだけじゃない。
マットの傍らにいる僕も、そしてマサムネも見たんだけど、やっぱりレンヤに真剣に恋をしている奈津子の目には、僕たち二人は映っていないらしい。
「可愛かったよ…」
レンヤが奈津子の顔を正面から見返して、続けた。
「イク時の奈津子の顔、とっても可愛かった……俺、ますます奈津子のこと、好きになっちゃった……」
途端、僕は思わず吹き出しそうになったのを、必死で堪えた――レンヤだって笑いを噛み殺しながら、今の台詞を言ったんだと思う。
その目を寄り目にして、唇をアヒルみたいに突き出して――絶頂に到達した際の奈津子の顔は、“滑稽”ではあるものの、とても“可愛い”とは言えなかった。
寧ろ、折角の可愛い顔立ちを、絶頂の快感が台無しにしていたようにさえ、思われた。
一方、奈津子は『可愛かった』という賛辞をどうやら真に受けたらしく、嬉しそうに笑った。
それから二人はしばらくの間、互いに向けて愛の言葉を捧げ合いながら、ゆったりとしたキスに興じた。