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BeLoved.
第35章 【hey my friend.】

【おまけ/酒と甘い涙と二人の男と一人の女】
「…未結悪りぃ、寝落ちた」
玄関ドアを開け、帰宅したわたしたちを出迎えてくれたのは。起きたばかりなのね。眉間に皺を寄せた険しい顔で頭を掻く、流星さまだった。
「いえ…そんな!…お二人とも、ありがとうございました!とっても楽しかったです!」
心からそう言い、早々と靴を脱いで急ぎ足で台所へ向かう。お茶をいれなくちゃ。
「流星俺には?」
「なんでお前?」
「…何でもない」
ご主人さまたちは何やかんや言い合いながら、連れ立ってリビングへ。
わたしは台所に立ち、手洗いうがいを済ませお茶の支度。お夕飯に用意していったカレーの寸胴鍋が空っぽになっていた事に驚きつつ…それぞれ自分のソファに腰を下ろした彼らの会話に耳を傾けた。
「家まで送ったぁ?すっげー麗、やっさしー。俺なら100パー放置ってくわ」
「だって女の子ほっとけねぇもん」
「15分も待たす女にそんな情けいる?」
そして、思う。
ああ、ふたりとも『素』だなあって。
我が道をいく彼らだけど、そこはやっぱり社会人。我慢したり、装わなければならない場面は多い。外では違う自分になるんだろう。今夜、紫にしたみたく。
でも彼らが二人で喋ってるときは、やっぱり違うんだよなあ…。何て言うか、余計な力が入ってない。
二人が言う通り『腐れ縁』なんだろうけど。やっぱり『仲良し』なのよね。
──紫とわたしも続いていけるといいな…
「お待たせしました…」
そんな事を考えながら、ローテーブル脇に膝をついて湯呑みを各々の前に置いていく。
立ち上がろうとした瞬間「おいで」の声と同時に腕を引かれ、わたしの体は流星さまの膝上へ乗せられた。
「り…、ぁ…っ」
彼の右手は、わたしの胸元へ。
膨らみをそっと包み込む掌が…気持ちよくて。反応してしまう。
真向かいには、スマホに目を落としているとは言え『彼』がいるのに。
羞恥心に駆られ俯いた耳に、手とは正反対の穏やかでない声が刺さった。
「で、その弟ってのはどんな野郎なの?未結に気ぃあんの?なら潰すけど」

