この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
BeLoved.
第43章 【彼の根底にあるもの。1】

「……」

車に戻って。運転席に乗り込んだ流星さまは、シートベルトを装着した後リモコンを手にしボタンを押した。
軋むような機械音とともにシャッターは巻き上げられ、薄暗かったガレージ内に光が少しずつ差し込んでくる。

…あれから、お互いずっと無言。横顔を見つめながら思う。
…いつもの流星さまじゃない。上手く言えないんだけど…空気が違う。
いくら明朗なこの人だって、色々思うところはあるんだろうな…。きっと今は何を言ってもはぐらかされるだけだ。

それに…思うところならわたしにもある。無理に打破を試みるのはやめ、沈黙を選び視線を窓の外に移した。

程なくして響く、エンジンがかかる音。しかし、何故か次の瞬間には切られた。

「……?」

シャッターも一旦動きを止めたあと、再び下がり始める。やがて閉まりきり、ガレージ内は元の暗さに戻ってしまった。


「え…、流…」

さすがにおかしい。声をかけながら視線を向ける。流星さまはハンドルに腕を乗せ、そこに伏していた。…どうしたんだろう、まさか、具合でも?

不安に駆られ、その体に触れようと手を伸ばした瞬間。カチリ、とベルトの解除音が聞こえた。


「…未結」
「…はい」

自由になった体を、運転席から乗り出させてきた彼は。わたしに口づけた。

「……っ!」
「──う」

すぐに唇は離れ、聞こえたのは低く短い呟き。
聞き取れなくて、ただ戸惑っていたら。

「しよう」

もう一度、今度ははっきりと告げられた。

唇が重ねられ、程なくして滑り込まされた舌がわたしのそれと絡まり合う。
それは意見も反抗も許さない、ただ受け入れることを命じるキス。反射的に目を閉じた。

「ふ……、ぁっ…」

…それは強引なくせに、とけるように甘い。体から、強ばりが徐々に抜けていく。

彼は片手を助手席の下に伸ばすと、レバーを引き、わたしごと席を限界まで後ろに下げた。

「…うーわっ、狭めー。潰しそー…」

自嘲するように言いながら。生まれたダッシュボードとの隙間に、自分の体を滑り込ませたのだった。
/404ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ