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BeLoved.
第45章 【彼女の根底にあるもの。】

それでも、時間は過ぎていく。彼らは変わらず激務、不規則、重責。わたしも家政婦業をこなしていく毎日。


「──で、散々こっちのやり方パクッといて"うまくない"ってよ。俺もナメられたもんだろ」
「パクるしか能ねーんだろ。んなアホほっとけよ、麗」

わたしには分からないお仕事の話をしたり(それにしてもふたりとも目が怖い…)。


「おいボンクラ」
「あー?なんか用かヘタレ」

時折じゃれあい(?)があったり (今更だけど『ボンクラ』と『ヘタレ』で会話が成立しちゃうんだもんなぁ…慣れを通り越してもう麻痺してるのかもしれない)。──かと思えば


「未結、おいで」
「ぁ…、ん」

不意に訪れる甘い時間に、心も体も酔い痴れたり。──とにかく、いろんなことが起きる目まぐるしい日々。大変なことも多いけど、楽しくて、幸せで。

『いつまでこのままで』──その不安も、葛藤も、だんだん薄れていく気すらしていた、そんなある日だった。

──────────

「ぁ…はい、わかりました」

その着信を受けたのは、夕食の仕度を終えた頃。相手は流星さまで、急用のため帰宅できないとのことだった。

早々に切られた通話。繁忙期は過ぎたと思ったけど…ううん、わたしが知らないだけで、やらなければならないことは山のようにあるはずだものね。

「、メール…」

そう思いながら閉じようとした携帯の画面に、新着メール通知があるのに気付く。差出人は麗さまで、内容は流星さまと同じ。帰宅できないのを知らせるものだった。

『お疲れ様です、お夕飯はとっておきますね』そんな感じの返信をして、今度こそ携帯を閉じた。

「…ひとりかぁ…」

ひとりの夜なんて、本当に久しぶり。特別淋しいとも感じないけど、思ったほどわくわく(?)もしない。

作り終えていた彼らの夕食はきちんと仕舞い、自分の分にはありついて。普段通り片付けも明日の仕度も終え、お風呂へと向かった。
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