この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
BeLoved.
第17章 【彼と彼の兄と姉】

「予想つくじゃない。しかも坊や達、一回フラれてるんでしょ?なら尚更よ」

仕事を無くし、住まいを無くし、
挙句の果てに肉親まで亡くして。

そこに弟達はつけこんだのではないか。
逃げ場がないのをいいことに、好きなように扱われているのではないか。羅々さまはそれを心配してくれていた。

「あたしや椎名くんなら、まだあのおバカどもに意見できるから。ひどいこと、されてない?」
「……」
「もし未結ちゃんがもう耐えられない、辞めたいってなれば」
「!いいえ…っ!」

確かに、辛いこともある。納得できないこともある。
…怖い思いをしたことも。

でも、それ以上に、わたしは…


『未結』


彼らのことが好きなんだ。


「…流星さまも、麗さまも、わたしを大切にしてくれています…」
「未結ちゃん?」
「わたしは…いえ、わたしが…!」


それは誰のせいにもできない。
言わされているものでもない。

彼らとここに居たい
彼らのそばに居たい

それがわたしの本心だった。


静寂が室内を包む。それを破ったのは椎名さまだった。彼の弟がいつもそうするような、間延びした声で。

「流星も麗ちゃんも幸せ者だね。いーなあ、ほんと。やり放題。うらやましー」
「椎名くん。…わかったわ、未結ちゃん。でも本当に何かあったら言うのよ?」
「…ありがとうございます…」

小さく息をついて、羅々さまは頭を撫でてくれた。いつも彼女の弟がそうしてくれるように。

────────

「未結ちゃん、流星くんが体育以外オール特Aの超優等生だったの知ってる?なにげにトリリンガルなのも」
「え?!」
「そーそ。流星は病弱だったから外遊びできなくて。流星ママはTVゲーム嫌いだったから、あの子本読むか勉強するかしかなくてねー」

その後、短い時間ではあったけど。お二人はわたしが知らない彼らの話を聞かせてくれた。

「麗ちゃんはねー。まあ荒れて荒れて」
「言わないであげて。麗の黒歴史だから」
「……」

わたしの知らない彼らの話をする
彼らと血の繋がっているお二人。

お兄さんがいる。お姉さんがいる。
いろんな事情があるだろう。でも
わたしは彼らが少し羨ましかった。

兄弟も、姉妹も、…家族も。
わたしにはないものだから。
/404ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ