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想い想われ歪なカタチ
第3章 3
「あの、流牙? ・・・パパの会社が倒産したって、本当なの?
 そして・・・・パパが、夜逃げしたって・・・・――嘘よねぇ?」


少し、声のトーンを落として恐る恐る聞いた。
突然私の身に降りかかったその出来事を、ゴリラ男+テレビニュースで確かに聞いたけど、
何だかいまいちピンと来ない。
正直、信じたくない。
もし、本当だったら・・・私はどうなるんだろう? 

流牙が「嘘ですよ」と言ってくれれば、
「そんなことありませんよ」と何時も通りの無表情でさらりと言ってくれれば、
後はもう全て、今まで通りに戻ってくれる。

むしろ そうなると、この時の私は何の根拠も無く確信していた。


「本当ですよ」


流牙の口調は予想通り、さらりとしたものだった。
けれど、内容は全然違ってた。


「え・・・」


半ば呆然とする私に、流牙はまた、くすくすと笑みを零した。

日に二度も流牙が笑うなんて・・・・今日はまったくどうかしてる。
夢でも見てるのかしら。 いや、夢にしてはリアルすぎ・・・・


「それよりもお嬢様、着替えては如何ですか?」


流牙はにっこりと笑みを浮かべて私に囁いた。


「先ほどから可愛らしい胸元が覗いておいでですよ?」


「え? ・・・・あ・・・・あ・ あーーー!!」


20cm上から見下ろす流牙の視線を辿って、自分の胸元を見て私は悲鳴をあげた。
瞬時に自分を掻き抱くように手で覆った。

私ってば、あのゴリラ男に服を裂かれてたんだった! どおりでスースーしてるのよ!!
うわああぁ! 流牙に見られちゃった!! 
胸なんて、裸なんて、女の使用人以外、まして男になんか、
パパにだって、見られたことないのに!!


「馬鹿流牙ッっ!! それを早く言いなさいよ!!!」
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