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想い想われ歪なカタチ
第9章 9
「・・・は ・・・ っ・・はっ・ ・・はっ・・・  はっ・」

またもや流牙に、拷問のようなおあずけを食らわされて
全身をこわばらせながら、肩で浅く息をした。
縛られた紐が、ピンと張っている。
はだけだされた胸の双丘にも、玉の汗が浮かんでいる。

理性って何だっけ。私、何をこんなに我慢してるんだっけ。
私はただ、もっと気持ちいいことしたい。
お願い、もっと・・・気持ちいいことされたい。

「これでいきたい?」

流牙は黒い物体にまとわりついた私の蜜をぺろりと掬って舐めた。
その仕草はぞっとするほど艶めかしい。

「いきたぁぃ・・・あたし・・もう・・ッ いきたいぃっっ・」

節操もなく叫びながら、私はこくこくと首を縦に振る。

「これで?」

「うぅん・・ うん・ もっと・・もっとぉ・・・」

「これよりもっと いいもの欲しい?」

「ぁっ いいの、ほしいよ・・・・ほしぃぃ・・・ ぁぁ・」

もう 眼の焦点が 全然あわない。
涙と劣情に完全にぼやけてる。
眼をこすりたくても両手はまだぎっちりと、頭上に固定されたままなのだ。

流牙が何をしているかわからないけど
布擦れの音が短くした後、流牙の身体が私に覆いかぶさる気配を感じる。

「っ ひゃんっ!」

解消されない欲望が煮えたぎるその入り口に、
さっきの黒い異物とは比較にならないほど
熱く熱をもった物体が、ちゅぐんとその先端をあてがわれるのを感じた。

それが私が待ち望んでいたものだと
確信するのに数秒の時間も要らなかった。

流牙は自分自身を私に当てたまま、尚も優しく意地悪に問いかけた。

「気持ちよくなりたい?」

「なりたぁぃ・・・ きもちいいの・・なりたいぃぃ」

「俺のこと 好きだろ」

「好きぃっ  すきぃ・・すきすき・・だいすきぃぃ」

「入れて欲しい?」

「ああん・・入れてぇ・・はやくぅ・・・入れてぇ・・・」

「ご主人様 だ」

「ご・しゅじんさまぁーー・・
  ・・・ ごしゅじんさまぁぁぁ・・・」

もう 私は自分が何を言っているのか
自覚してなかった。
私はもう、何としても
流牙がもたらしてくれる快感を、手放す気はさらさらなかった。
もし、私が完全にうわの空でなく、涙で眼も曇っていなかったら、
極上の至福で満たされたことで湧き出た笑みが
流牙の顔中に広がるのを見れただろう。
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