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第8章 ８

甘い吐息を吐きながらも、男のそれに手を這わせたが、
強弱をつけてくちゅくちゅと、蠢かされる指で柔らかい内壁を擦られると
紗織はただ、淫らな声を口から迸らせるしか成す術を無くしてしまう。


「アッ・はあ・・ぅ・・や・あぁ・だめ・・・や・・・ああッ・」


　どうして、この男は　こんなにも
自分でもはっきりとは分らないような快感の渦巻く急所を
知り尽くしてしまっているのだろう。
このままでは　圧倒的に不利だ。

快感に震える手を酷使して、何とか寄せた唇で
隆起した熱い塊を摩擦してみたが、
その手の動きを止めるのに十分な効果は、望めないように思えた。

意識を朦朧とさせるその刺激から逃れようと、必死で身を捩ってみても、
男の指は執拗に追いかけて、紗織の過敏な粘膜を容赦なく攻め立てる。
快感を導くその指の動きは、一層激しく正確に紗織の中を掻き回す。


（うああ・・どぅ・・しよ・・ッもう・・我慢・・出来な・・・・）



「ふッ・・・・ぅん・ぐっ・・・・・・・・・ッッッ・・・・・！！！」


　男の指先の動きに導かれ、迸って突き抜ける絶頂の訪れを知られまいと、
わななく唇を痛みが走るほど噛み締めて、身体をがくがくと強張らせながら、
紗織はやっと、今にも飛び出そうな声を押し殺すのに成功した。

男の指の腹でまだ　ゆっくり細かく擦られるそこが、
溢れ出た液体を内股へと垂れ流しながら、
ひくひくと収縮するのは止めようがない。

男がくすりと鼻で笑うのが聞こえた気がした。
　その余韻に一通り耐えてしまうと身を起こし、
紗織は恐る恐る男の顔を窺った。