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Secret space
第13章 番外 前編
十五を迎えた実和が、奉公にあがってからというもの、
毎晩のように主は実和を自分の寝室に呼びつけ、閨の行為を要求した。

その根底には 実和が単に 美しい若い娘であるという理由だけでなく、
亡くなった先妻に面影が似ているという事実があることに
本人は勿論、やはりこれも誰もが知るところだった。


美しい庭園。古くから続く富と繁栄を象った雄大な邸宅。
その中でひっそりと隠されて渦巻くのは、人間の持つあらゆる醜い感情。


その渦中に放り込まれた実和は、ただ一身に、主の歪んだ欲望と、
女主人の暗く陰湿な嫉妬の炎を受けなければならなかった。


ことの発端はいつも 些細なことだったと思う。
部屋の掃除がいい加減だの 廊下を通る足音が煩いだの 
その人を馬鹿にして澄ました顔が気に食わないだの
実和がどんなに努力しても、志津子は満足というものを知らなかった。


『・・・これで、お気がお済になりましたでしょうか・・?』


長い棒のような木の箆で、散々実和を打った後、
なおも肩を怒らせ息を切らせる志津子に、そう問い掛けたのが間違いだった。

受けた痛みも感じた恐怖も おくびにも見せない冷徹な声が、
余計に志津子の怒りを招くと知りながらも、思わず口を突いて出た。

志津子は表情を一変させ、顔を憤怒に染めながらも目を剥いて、
実和の着物の背の襟首を、恐ろしい力でぐいと引っぱった。

そして、火の付いたストーブの上の、シュンシュン と湯気の噴出す鉄瓶を

半ば引き攣ったような微笑さえ口端に浮かべて、

思い切り引っ掴んだ無抵抗の生贄の、

着物と 白い素肌の背中との

 その隙間に向けて 傾け 注いだ。
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