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第14章 番外 後編
「あっああっ・・・っ・・ふっ・くあ・ あっん」


脳に直接流れ込むように増強する快楽の電流に身を捩った。
雅斗が豊かな胸の谷間にそっと顔を押しつけ埋める。
柔らかな感触を頬で愉しんで唇で触れた。
その頂に吸い付いて欲しいと、胸の奥で願ってしまうのは 半ば生理的なものだ。


「くっ・・ふっ・・・ああっ・」


望んだとおりに 雅斗の唇が胸の先端に届き、硬く色づく突起に吸い付かれると
甘い刺激が身体を襲った。
実和は思わず、少年の柔らかな髪質の頭部に指を這わせて
自分の胸に押しやるように抱きしめた。
詰襟を解き、黒い学生服と、白のカッターシャツの間からはだけている
少年の胸に残る赤黒い痣の痕に手を這わせる。

激しく求めて獣のように 行為を進める二人の間に、
恋心や慕情のような 甘い感情の存在は無い。

欲情的な行為は 心に無惨に穿たれた疵を舐めあう癒やしに似て、
精通して共存する悲しみを剥き出して擦り合わせることで、
互いを磨り減らし、無くそうとするものだった。
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