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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第6章 魔王⑥
 そして今。
 フィーネの身体は、魔王の支配下にある。

 肌を晒し、両手の自由を奪われ、淫らな刺激によって自分の意思とは関係なく、甘く喘がされ続けていた。

「フィーネ……」

 魔王が躊躇いがちに名を呼んだが、言葉を返す心の余裕などない。

 彼自身、返答を期待していたわけではなかったのだろう。

 軽くため息をつくと、再び胸の頂きに唇を寄せた。散々刺激され、硬く勃った蕾を口に含み、舌先と歯を使って根元から先端にかけてこすり上げる。

 再びフィーネの脳内が、淫らな気持ちよさで一杯にされてしまう。

「んやぁっ! そ、そんなにつよく……んっ」

 ただ舐められるだけではない強い刺激に、フィーネの胸が浮いた。胸を攻められるたび、下腹部の奥が切なく疼き、何かを求めて熱を帯びる。

 身体の反応が、性的な興奮から来るものだと気づいた時、自身への嫌悪感と聖女の役割への罪悪感が広がった。
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