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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第9章 アンジェラ①
どうやら声は、もう少し先の廊下から聞こえているようだ。足音を立てないよう廊下の角を曲がる。
そこにいたのは、中年ぐらいの小太りの女性と、
(あの人……だわ)
美しい容姿の男――魔王が向かい合って何かを話している。
いや、一方的に中年女性に詰め寄られているというか。
目の前の魔王に対し、女性は険しい表情で非難の言葉を浴びせていた。
「ほんっとあなた様は! 優しくしなさいとあれほど……あれほど口を酸っぱくして申し上げましたのに! 何故あのようなことをなされたのですか!」
「あれは……だ……」
「言い訳は聞きませんよ!」
理不尽。
理由を答えようとして怒られた魔王の表情には、ハッキリそう書いてあった。が、女性は全く意に介さず、キッと茶色の瞳を魔王に向けた。栗毛色のふわふわした髪が揺れる。
そこにいたのは、中年ぐらいの小太りの女性と、
(あの人……だわ)
美しい容姿の男――魔王が向かい合って何かを話している。
いや、一方的に中年女性に詰め寄られているというか。
目の前の魔王に対し、女性は険しい表情で非難の言葉を浴びせていた。
「ほんっとあなた様は! 優しくしなさいとあれほど……あれほど口を酸っぱくして申し上げましたのに! 何故あのようなことをなされたのですか!」
「あれは……だ……」
「言い訳は聞きませんよ!」
理不尽。
理由を答えようとして怒られた魔王の表情には、ハッキリそう書いてあった。が、女性は全く意に介さず、キッと茶色の瞳を魔王に向けた。栗毛色のふわふわした髪が揺れる。