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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第14章 忠誠④
優しく口付けられ、心がじんわりと温かくなった。聖地では決して埋まることのなかった心の穴に優しさが注ぎ込まれるような、そんな感覚。
(何故私は……この人を心の底から憎めないの?)
無理やり純潔を奪われ、聖女としての役目を果たせなくされた。
そして攫われ、抱かれている。
人間の敵として、自身の敵として、激しい憎しみを抱いてもおかしくないはずなのに、フィーネは目の前の男を憎むことができなかった。
寧ろ抱くのは、憎しみとは真逆の感情。
ちりっと、心の奥底で何かが疼いた。
(何故私は……この人を心の底から憎めないの?)
無理やり純潔を奪われ、聖女としての役目を果たせなくされた。
そして攫われ、抱かれている。
人間の敵として、自身の敵として、激しい憎しみを抱いてもおかしくないはずなのに、フィーネは目の前の男を憎むことができなかった。
寧ろ抱くのは、憎しみとは真逆の感情。
ちりっと、心の奥底で何かが疼いた。