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BeLoved. 【懐旧談】
第4章 奇譚

それは はだざむい はるのよるのことでした。

いっしょのしごとをおえた ふたりのおとこは、へやのソファにむかいあってこしをおろすと、ひといきつきました。

「まー今回もお見事でしたわ、センセー」
「恐れ入ります、社長」

しゃちょう、とよばれたおとこは、まっくろなかみと するどいひとみをしておりました。
くわえたたばこにひをつけると、けむりをはきだしながら めのまえのおとこに わらいかけました。

おじぎをしてかえしたのは、せんせい、とよばれた めがねをかけたおとこでした。けむりのむこうから にこにことやさしそうにほほえんでいます。

「ったく乗っ取りなんて人聞き悪りぃ。こっちゃキチンと合法的手段を踏んでんすから。まー今回のでそれがハッキリした訳ですけどね。野郎の吠え面、見ものでしたわ。先生」
「無知は罪とはよく言ったものですね。社長」

しゃちょう とよばれたおとこは、よそのひとの かいしゃを じぶんのものにし、よそのひとを ふこうにしました。
そして、せんせい とよばれたおとこは それをてつだいました。

よそのひと は とらっくにとびこみ あのよ へ いきました。
ですが おとこたちは きにもとめません。

どうすれば りえきになるか。
どうすれば もっとよくなるか。
どうすれば じぶんのためになるか。

おとこたちは それだけをかんがえ こうどうします。
きょうも、あしたも、あさっても、そのさきも、ずっと。

だれが ないても くるしんでも
おとこたちは とまらないのです。


『むくい』をうける、そのひまで。





「あ、ウチのが言ってたんすけど。先生んトコ、来月だとか」
「ええ、おかげさまで。そちらは?」
「ウチは7月ですわ」
「同級生ですね。よろしくお願いします、社長」
「まー前に2回流れてるんで、今回もわかりませんがね」





むかしむかし、とある びるのいっしつに
ふたりの わるいおとこが おりました。


むかしむかし、
にじゅうしちねんまえの おはなしです・・・





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