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BeLoved. 【懐旧談】
第2章 愛執
他に好きな男がいたことは知っていた。
その男に向けられる笑顔が
私へのものより柔和で華やかで、輝いていたのも。
だけどね、由梨子。
あの男は君には相応しくないんだよ。
──ちょっと『遊んで』やってくれ
男慣れした女に金を握らせ誘わせた。
そしたらどうだ。男は君をあっさり裏切り
目先の肉欲に走ってしまったね。
そんな不誠実な男なんだ。
たくさん泣かせてごめんね。
だけど、もう大丈夫だよ。君には私が居る。
差し伸べた私の手を、君は握ってくれた。
神に誓う前に、私は自分に誓っていたんだからね。
君のためだったら、何でもする。
君の全てを手に入れるためだったら、何でもすると。
だからね、由梨子……ゆりちゃん。
君を一番愛している私と生きることこそが、
君の幸せなんだ。