この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第22章 22 穏やかな日々
馬のいない馬小屋にロバの明々を入れ、水を汲みに井戸へ向かった。ちょうど朱彰浩が手を洗いにやってきていた。
「ただいま」
「おかえり。水は俺が運ぶ」
「ううん。いいわよ」
「いや、もう臨月だろ。無理しなくていい」
「ありがと。じゃあお願いするわ」
ぶっきら棒だが親切な朱彰浩の厚意に甘えることにした。自分の小屋に行く前に、京湖の顔を見に行く。
「京湖さん、ただいま」
「おかえりなさい。今日はどうだった?」
「まあまあかしら。みんなには明日から休むって言ってきたの」
「そろそろ身動きが取れにくくなってきたわよねえ」
「ね」
わずかに京湖の腹のほうが大きく、予定日は彼女のほうが早そうだ。
「ご主人に色々お世話になって申し訳ないわ」
「あら、こちらこそ。お互い様よ」
世間話をすこしして晶鈴は帰った。寝台に腰掛け腹を撫でると、内側からぽこぽこと蹴られた。
「アタタ。なかなか強くけるのねえ。男の子かしら? 京湖さんは女の子かもしれないわ」
楽しみのような不安のような怖いような複雑な気持ちが駆け巡る。いろんな思いをすることに晶鈴は不思議な心持だ。占い師たちの言葉を思い出す。
『運命は心がけ次第で変わる』『考え方ひとつで天国にも地獄にも変わる』
自分の人生は自分で切り開いていくものなのかと肝に銘じて晶鈴は目を閉じた。
「ただいま」
「おかえり。水は俺が運ぶ」
「ううん。いいわよ」
「いや、もう臨月だろ。無理しなくていい」
「ありがと。じゃあお願いするわ」
ぶっきら棒だが親切な朱彰浩の厚意に甘えることにした。自分の小屋に行く前に、京湖の顔を見に行く。
「京湖さん、ただいま」
「おかえりなさい。今日はどうだった?」
「まあまあかしら。みんなには明日から休むって言ってきたの」
「そろそろ身動きが取れにくくなってきたわよねえ」
「ね」
わずかに京湖の腹のほうが大きく、予定日は彼女のほうが早そうだ。
「ご主人に色々お世話になって申し訳ないわ」
「あら、こちらこそ。お互い様よ」
世間話をすこしして晶鈴は帰った。寝台に腰掛け腹を撫でると、内側からぽこぽこと蹴られた。
「アタタ。なかなか強くけるのねえ。男の子かしら? 京湖さんは女の子かもしれないわ」
楽しみのような不安のような怖いような複雑な気持ちが駆け巡る。いろんな思いをすることに晶鈴は不思議な心持だ。占い師たちの言葉を思い出す。
『運命は心がけ次第で変わる』『考え方ひとつで天国にも地獄にも変わる』
自分の人生は自分で切り開いていくものなのかと肝に銘じて晶鈴は目を閉じた。