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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第27章 27 王太子妃と側室
王太子妃の桃華は、眠る娘を眺めながら静かに平穏に時間が過ぎていくことを願っている。一度、姉から手紙が届いた。入れ替わった彼女たちは、自分の名前を名乗ることはもうない。妹の李華として届いた手紙には、結婚したのち、息子が生まれつつましいが幸せに暮らしていると書かれてあった。何も問題がないことは良いことだが、自分がこれだけ毎日気を使い、神経をすり減らしているのにと、能天気な姉に怒りを覚えずにはいられなかった。
せっかく美しく聡明で優しい隆明に出会えても、身代わりだということがばれないかと、素直に身を委ねることができないでいる。
「きっと、隆明様は、わたしを無感情なつまらない女だと思っているでしょうね……」
いつか思い切りあなたを愛していると告げ、抱き合えたらなんと素晴らしいことかと、隆明が通ってこない夜は涙を流しながら眠りについていた。
せっかく美しく聡明で優しい隆明に出会えても、身代わりだということがばれないかと、素直に身を委ねることができないでいる。
「きっと、隆明様は、わたしを無感情なつまらない女だと思っているでしょうね……」
いつか思い切りあなたを愛していると告げ、抱き合えたらなんと素晴らしいことかと、隆明が通ってこない夜は涙を流しながら眠りについていた。