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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第30章 30 運命
やっと薬が抜けたようで再び目を覚ますと、ひそひそと話声が聞こえる。手には力が入り、声も出せそうだがここはおとなしく外の様子をうかがうことにした。
「褒美はどれぐらいもらえるだろうか」
「あまり期待するな。大臣はがめついから」
「しばらくは遊んで暮らせるさ」
どうやら誰かの依頼で自分はさらわれた様だ。しかし、まだ理由はわからなかった。
「そろそろ箱から出して女に飯でも食わせないと」
「ああ、そうだな。丁重に扱えと言われているからな」
乱暴なことはされないようで少し安心した。がたがたを蓋がとられ外が見えた。ベージュ色のテントらしい天井が見える。
「さて、お嬢さん。起きてくんな」
野太い男の声のほうに目をむけると、京湖と彰浩と同じ民族であろうガタイの良い男が見えた。手足を縛られているのでにじっていると「ああ、それを外してやらんと」とすんなり手と足を自由にされた。
「ここは、どこなの?」
「さっきコーサラを通過したんでさ。今日はここで野営ですな」
「こうさら……」
晶鈴は頭の中に地図を描く。確かその場所は、最後の町から更に南西に向かった他国のはずだ。地図には『交沙良』と書かれていたはずだ。
「ガンダーラでだんながお待ちかねですよ」
にやにやした男が付け加える。どうやらここから北西に進路を変えるつもりのようだ。
「どこに逃げてもだんなからは逃げられやしないですからね。お嬢さんもあきらめたほうがいいですよ」
「褒美はどれぐらいもらえるだろうか」
「あまり期待するな。大臣はがめついから」
「しばらくは遊んで暮らせるさ」
どうやら誰かの依頼で自分はさらわれた様だ。しかし、まだ理由はわからなかった。
「そろそろ箱から出して女に飯でも食わせないと」
「ああ、そうだな。丁重に扱えと言われているからな」
乱暴なことはされないようで少し安心した。がたがたを蓋がとられ外が見えた。ベージュ色のテントらしい天井が見える。
「さて、お嬢さん。起きてくんな」
野太い男の声のほうに目をむけると、京湖と彰浩と同じ民族であろうガタイの良い男が見えた。手足を縛られているのでにじっていると「ああ、それを外してやらんと」とすんなり手と足を自由にされた。
「ここは、どこなの?」
「さっきコーサラを通過したんでさ。今日はここで野営ですな」
「こうさら……」
晶鈴は頭の中に地図を描く。確かその場所は、最後の町から更に南西に向かった他国のはずだ。地図には『交沙良』と書かれていたはずだ。
「ガンダーラでだんながお待ちかねですよ」
にやにやした男が付け加える。どうやらここから北西に進路を変えるつもりのようだ。
「どこに逃げてもだんなからは逃げられやしないですからね。お嬢さんもあきらめたほうがいいですよ」