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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第4章 4 北西の村
 陳老師は3人を見比べる。二人の娘はもう10歳になるところなので、これは好機だとわかっていた。中央にいけば生活の保障はもちろんのこと、過分な望むを得ることさえできるかもしれないのだ。
 晶鈴はぼんやり立ったまま、さっき草原で転んで、こすった緑と茶色の汚れた頬を撫でていた。
 老師は懐から何個かの小石を取り出し、3人に見せる。手のひらには小石とヒスイやメノウなどの玉が混じっている。

「石の違いがわかるかね?」

 一番年長の娘が、まん丸のヒスイを指さす。

「これが一番高価です」

 二番目にもう一人の娘が四角いメノウを指さす。

「これが一番美しいです」

 ぼんやりしている晶鈴に陳老師が尋ねる。

「君はどうかね」
「これが」
「これが?」
「えっと気持ちがあります」

 すべすべして滑らかだが河原で拾ったような石を晶鈴は指さした。

「気持ち?」
「はい。なんか石にもしたいことがあるというか……」

 まだ語彙の乏しい彼女はうまく説明ができなかったが、陳老師は目を細めて喜ぶ。

「うんうん。石は意志に通じる。よかったよかった。このような遠方まで来たかいがあったわい」

 こうして晶鈴は、将来、国家に仕えるべく占い師見習いとして中央に向かうことになった。伯父夫婦や兄妹たちに別れを告げるが、お互いに感傷的になることはなかった。陳老師から多少の金銀を受け取り、伯父は丁重に頭を下げる。

「身体に気をつけてな」
「おじさん、おばさん、みんな、さよなら」
「元気でね」

 平坦な感情であいさつを交わし、晶鈴は、陳老師とともに馬車に乗り込んだ。
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