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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第42章 42 不調
京湖の優しく置かれた肩の手に気づき、星羅はハッと目を覚ました。
「どうしたの? うたた寝なんかして。なんだか顔色が悪いわ。もう寝台で寝なさい」
「あ、ん。なんか眠くなっちゃって」
「書物の読みすぎで目が疲れてるんじゃないの?」
「そんなことないわ。今日も馬に――」
「馬? 馬に乗ってるの?」
「あの、ちょっと後ろに乗せてもらっただけ」
「本当? 危ないことはしないでね」
「大丈夫よ」
心配そうな京湖に星羅は明るく返す。本当は馬で軽く遠乗りをしてきた。最近、陸家の息子の陸明樹に乗馬を教わっているのだった。京湖は、友人の胡晶鈴の忘れ形見のように星羅を大事に保守的に扱っている。そのため星羅は学問以外の、乗馬や剣術などのことを内緒にしていた。
「じゃあもう寝るわ」
「ええ、早くおやすみなさい」
彫の深い顔立ちの京湖は、心配そうな表情の陰影を深く落としながら部屋を去った。
「ごめんなさい。かあさま」
内緒にしていることを謝り、罪悪感のため、言われるとおりに眠ることにした。寝台で横たわり、うたた寝なのどしたのは初めてだと思った。ここのところなぜだか身体がだるくて、眠気がある。睡眠は足りているはずなのに疲れがとれない。絹枝老師も同じように倦怠感と頭痛が最近多いと愚痴をこぼしていた。
「季節のせいかしらね」
自分の体調よりも、書物の中のほうに気が向いてしまう二人は体調の異変を深く気にすることはなかった。
「どうしたの? うたた寝なんかして。なんだか顔色が悪いわ。もう寝台で寝なさい」
「あ、ん。なんか眠くなっちゃって」
「書物の読みすぎで目が疲れてるんじゃないの?」
「そんなことないわ。今日も馬に――」
「馬? 馬に乗ってるの?」
「あの、ちょっと後ろに乗せてもらっただけ」
「本当? 危ないことはしないでね」
「大丈夫よ」
心配そうな京湖に星羅は明るく返す。本当は馬で軽く遠乗りをしてきた。最近、陸家の息子の陸明樹に乗馬を教わっているのだった。京湖は、友人の胡晶鈴の忘れ形見のように星羅を大事に保守的に扱っている。そのため星羅は学問以外の、乗馬や剣術などのことを内緒にしていた。
「じゃあもう寝るわ」
「ええ、早くおやすみなさい」
彫の深い顔立ちの京湖は、心配そうな表情の陰影を深く落としながら部屋を去った。
「ごめんなさい。かあさま」
内緒にしていることを謝り、罪悪感のため、言われるとおりに眠ることにした。寝台で横たわり、うたた寝なのどしたのは初めてだと思った。ここのところなぜだか身体がだるくて、眠気がある。睡眠は足りているはずなのに疲れがとれない。絹枝老師も同じように倦怠感と頭痛が最近多いと愚痴をこぼしていた。
「季節のせいかしらね」
自分の体調よりも、書物の中のほうに気が向いてしまう二人は体調の異変を深く気にすることはなかった。