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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第45章 45 進路
 絹枝にしてみれば、教師や薬師などはどんな時代にでも必要だと思うが、もう軍師は斜陽だと思う。なくてもよいのではないかと進言したいくらいだった。
 将来が明るくないのに、試験は国で一番難しい。この王朝を開いた武王が軍師を一番素晴らしいものとし、彼自身が最高の名軍師と呼ばれる所以かもしれない。軍師がなくなるということはこの国のアイデンティティも無くなることに繋がるのかもしれなかった。
 さらに軍師見習いになってから、主に寮生活になるが武芸を磨き、兵法書を読み、議論し、過去の戦のデータをもとに各々が国主となり中華を統一していくシミュレーションを行う。絹枝に言わせれば、机上の空論どころか遊戯にみえる。戦国時代ではない世の中に無用の長物とは軍師だろう。

 どの職業にも性より才が重要視されるので、女性の進出も目覚ましい。薬師も教師も兵士も半数近く女性がいる。しかし王朝が開いていらい今まで女性が軍師に着いたことはなかった。現実的な女性にとって、先細りの軍師職など全く魅力を感じないのであろう。

「学舎で試験勉強を続けてもいいけど、どうする?」
「ここだと兵法の勉強はできないので家でやります。先生から写させてもらった兵法書で」
「そう。剣技とかは? 馬術もあるでしょう」

 軍師試験には、筆記と武芸の実技もあった。
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