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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第51章 51 視察

今夜はこのまま申陽菜のもとで隆明は過ごすことになる。申陽菜は医局長の陸慶明に作らせた、体臭をかぐわしい花の香りに変えさせる薬湯を飲んで寝台でスタンバイしている。
「今夜こそ、隆明様を夢中にさせてみせるわ」
はかなげな肢体と表情の下に、誰よりも負けたくないという強い気持ちが宿っている。申陽菜はとにかく自分が一番大事にされていないと気が済まなかった。
しかし思惑はなかなかうまくいかず、隆明は気もそぞろでぼんやりした夜を過ごした。申陽菜が甘く話しかけても生返事ぐらいで、結局、添い寝をするだけだった。
朝げを一緒に食べ、笑顔で隆明を朝廷へ送り出した後、申陽菜は癇癪を起こす。
「一体、何が気に入らないのよ!」
あまりにもそっけない隆明の態度は、彼女にとってまったく理解ができない。頭に血が上ったようで、ふらふらと申陽菜はしゃがみ込んでしまう。
「陽菜さま」
かけよる宮女に身体を支えられ、寝台に腰掛ける。
「なんだか、具合が悪いわ。薬師を呼んでちょうだい」
機嫌の悪い申陽菜に八つ当たりされないように、宮女はすぐさま医局へ走り、医局長の陸慶明に助けを求めた。
「今夜こそ、隆明様を夢中にさせてみせるわ」
はかなげな肢体と表情の下に、誰よりも負けたくないという強い気持ちが宿っている。申陽菜はとにかく自分が一番大事にされていないと気が済まなかった。
しかし思惑はなかなかうまくいかず、隆明は気もそぞろでぼんやりした夜を過ごした。申陽菜が甘く話しかけても生返事ぐらいで、結局、添い寝をするだけだった。
朝げを一緒に食べ、笑顔で隆明を朝廷へ送り出した後、申陽菜は癇癪を起こす。
「一体、何が気に入らないのよ!」
あまりにもそっけない隆明の態度は、彼女にとってまったく理解ができない。頭に血が上ったようで、ふらふらと申陽菜はしゃがみ込んでしまう。
「陽菜さま」
かけよる宮女に身体を支えられ、寝台に腰掛ける。
「なんだか、具合が悪いわ。薬師を呼んでちょうだい」
機嫌の悪い申陽菜に八つ当たりされないように、宮女はすぐさま医局へ走り、医局長の陸慶明に助けを求めた。

