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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第55章 55 世継ぎ
 申陽菜と周茉莉はめでたく懐妊したが、二人とも産んだのは女児だった。そしてまた二人の側室が隆明の後宮に入ることになった。太極府ではまた側室選びが始まる。これで二人の側室が後宮入りしても女児しか生まれないのではないかと、口には出さないが、皆、懸念している。

 過去に一度だけ王子が生まれないことがあり、女王が誕生したことがある。子が全く生まれなければ、王位継承は、王の兄弟に移るが、そうでない限りできるだけ直系血族を世継ぎにするべく女王誕生となった。

 今は王はまだ健在なので、後を継ぐのは長兄の隆明になる。隆明が王になり、女児しか望めなかった場合にはまた女王が誕生する。しかし王太子の身分のまま早世してしまえば、王太子は次男の博行に譲られるだろう。

「これは好機かもしれない……」

 現王妃の蘭加は、息子の博行が王になれる可能性を見出す。王太子の隆明に一人でも男児が生まれていたらそう思わなかったが、こうも女児ばかりが生まれていて、まだ王太子であれば、博行の王位継承が見えなくもない。

「隆明に何かあれば……」

 ごくりと喉を鳴らす。隆明が王位を継げぬまま亡くなれば、博行が王太子となり、博行の息子が王太子となる。

「あまり悠長にはできぬ……」

 現王の曹孔景は近頃、胸を押さえながら咳をすることが増えた。医局からも薬湯が多く出されており、暑い日でも冷やされたものを食べすぎないようにと言われている。高齢といえば高齢であるのでここ数年で世代交代はなされるだろう。

「どうすべきか」

 自ら手を下すことも、人を使うことも相当に慎重にやらねばならない。だが蘭加の心はもう決まっている。王太子、曹隆明を亡き者にするのだ。
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