この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第62章 62 宴
 いつもよりも丁寧に髪を梳かしまとめ上げ、星羅は郭蒼樹に借りた着物を着る。上等な絹織物に母の朱京湖はうっとりと生地を撫でる。

「この国の織物はほんとうに素晴らしいわね。重厚で繊細で丁寧で」
「西国にもいいものがいっぱいあるでしょう?」
「うーん。緻密さが少し違うわね。国のせいかしらね。西国は暑いから」
「そうなのね」

 くるりと一周して見せる星羅に「これならどこに出しても恥ずかしくないわ!」と京湖は感嘆する。

「晶鈴がみたら、どんなに立派になったかって思うかしら……」

 歳のせいだろうか、キャラバンで胡晶鈴の噂を聞いたせいだろうか。京湖はまた涙もろくなっている。

「わたしが立派に見えるなら、それはかあさまが育ててくれたおかげだわ」
「ありがとう……」

 力強く星羅は心からそう思っている言葉を発する。実際に京湖は子煩悩で、兄の京樹と星羅を大変慈しんだ。もちろん夫の彰浩に対しても思いやり深く優しく尽くしている。とても高官の娘とは思えない献身ぶりだ。

 京湖に言わせると、娘時代は自由奔放で好き勝手しても誰にも諫められることはなく、毎日楽しいことばかりして過ごしたということだ。今は、贅沢もできず、一日中家事に追われて自由に遊ぶ時間はない。それでも愛する夫と子供たちに囲まれて幸せだという。
 実の子ではない星羅が卑屈にならず、素直に明るく育ったのは京湖の、大らかで愛情深い育て方のおかげだろう。
/628ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ