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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第62章 62 宴
「そこが会場だろう」

 郭蒼樹の指さすほうを見ると、柔らかい草の上に赤い色の毛せんが何枚か敷かれている。きちんとした台座を作ることなく簡単に敷かれた様子を見ると、私的な集まりで堅苦しさはなさそうだ。

「僕たちはどこに座ればいいのかな」

 星羅が尋ねると「おそらく、その下座だ」と蒼樹が答えた。遠目からでもわかる華やかな集団がやってきた。王太子、曹隆明と妃たちだ。一人の官女がさっとやってきて「軍師のみなさま、こちらへどうぞ」と案内してくれた。

「軍師だってさ」

 徐忠弘は見習いが省略されただけなのに嬉しそうな顔をする。緊張していた星羅もおかげで硬さがほぐれた。王太子、曹隆明の前にいき三人は拝礼する。

「よい、面を上げよ。気楽にしてそこに座るがよい」

 蒼樹の言った場所に案内され三人は座る。

「華やかだな」
「うん」

 忠弘は隆明と妃たちの豪華絢爛な着物に目を奪われている。彼は目利きでもあるので、それらの着物や装飾品がどれだけ価値の高いものかよくわかっている。
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