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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第1章 1 少女と小石
少女は石を拾い上げ、両手に包み三回振った。
「それっ」
手の中から飛び出した小石は地面に散らばって落ちた。
「えーっと」
さっきと同じように3色の石の位置や角度などを確認する。
「あらっ」
「どうした?」
少しだけ心配そうな雰囲気を見せた王子に「申し上げます」と笑顔を見せる。
「ん。申せ」
「若さまにも今日、ご友人ができるようです」
「ほう。なるほど。しかしもう、これからは寝殿にもどるだけだ」
「そうですか……」
「ということはつまり、そなたが私の友になるということだな」
「え? そ、そんな恐れ多い」
「そなたの卦にも同じことが出たのだろう?」
「確かにそうです」
「では、そういうことだ」
「はあ……」
「名は?」
「|胡晶鈴《コ ショウリン》と申します」
「そうか。晶鈴か、私は|隆明《リュウメイ》だ」
「隆明さま」
「さまはいらぬ」
「で、でも」
「友にさまなど付けぬであろう」
気さくに言われても、王子を呼び捨てにするなど死罪も免れぬ不敬罪に問われると思い、晶鈴はうつむく。
「晶鈴はいくつになる?」
「11です」
「ふむ。私は12だ。隆兄と呼べ。私は晶妹と呼ぶことにする。それならどうだ」
「そ、それなら。あのほかの人がいなければ、そう呼びます」
「それっ」
手の中から飛び出した小石は地面に散らばって落ちた。
「えーっと」
さっきと同じように3色の石の位置や角度などを確認する。
「あらっ」
「どうした?」
少しだけ心配そうな雰囲気を見せた王子に「申し上げます」と笑顔を見せる。
「ん。申せ」
「若さまにも今日、ご友人ができるようです」
「ほう。なるほど。しかしもう、これからは寝殿にもどるだけだ」
「そうですか……」
「ということはつまり、そなたが私の友になるということだな」
「え? そ、そんな恐れ多い」
「そなたの卦にも同じことが出たのだろう?」
「確かにそうです」
「では、そういうことだ」
「はあ……」
「名は?」
「|胡晶鈴《コ ショウリン》と申します」
「そうか。晶鈴か、私は|隆明《リュウメイ》だ」
「隆明さま」
「さまはいらぬ」
「で、でも」
「友にさまなど付けぬであろう」
気さくに言われても、王子を呼び捨てにするなど死罪も免れぬ不敬罪に問われると思い、晶鈴はうつむく。
「晶鈴はいくつになる?」
「11です」
「ふむ。私は12だ。隆兄と呼べ。私は晶妹と呼ぶことにする。それならどうだ」
「そ、それなら。あのほかの人がいなければ、そう呼びます」