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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第67章 67 春衣の死
「旦那様。貴晶を、お願いします」
「ああ、貴晶はきっと立派に、私の――春衣?」

 最後の言葉まで聞かずに春衣はこと切れた。口元がわずかに笑んでいる。慶明はがっくりと頭を垂れる。晶鈴にこだわっていたのは、自分だけではなかったのだ。春衣にはそれが伝わっていたのだろう。言葉では思い出と言ったが、春衣の問いは的を射ていた。

 細く骨っぽい春衣の手を握り慶明はつぶやく。

「春衣。すまなかった」

 もっと早く彼女の気持ちに気づき、側室に迎えていれば、難産にも耐えられたかもしれない。または難産にならなかったかもしれない。

 慶明は春衣が、妻の絹枝と、星羅の命を狙ったことは知らない。罪悪感と正義感の狭間で苦しみ、独りよがりな愛憎で心をむしばみ、健康を害していたことを知る由もなかった。幸か不幸かそのおかげで、彼が春衣に負の感情を抱くことはなかった。 
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