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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第68章 68 恋心
 若い星羅を見送った後、慶明はまた春衣に線香をあげる。

「春衣。星羅は私たちの青春の象徴のようだな……」

 もう自分の出番は終わったと慶明は実感する。晶鈴に似た星羅を我が物にと思ったことがなくもない。しかし彼女の若くみずみずしい輝きを手の中に収めることはもう無理だった。王太子の曹隆明も、星羅の成長を父親として見守っていくことだろう。初恋の終焉と風化を感じると、慶明は心が鎮まる。不思議なもので鎮静化すると自由に広がっていくものを感じた。

「私もやっと晶鈴の域に達したかもしれぬな」

 後で、靴を脱いで息子の貴晶と庭を散歩しようと考えた。
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