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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第8章 8 太子
「遠乗りでもするか」
「だめだめ。儀式が控えてるのでもし怪我でもしたら……」
「はあっ。つまらん」
「儀式が終れば遠乗りもできますし、もっと楽しいことがお出来になりますって」
「例えば?」
「えーっと。もっといろいろな演奏や舞踊を観たりととか」
儀式が済めば、国中が賑やかな祭り状態になるだろう。すでに数多の舞踊団が、披露のために鍛錬しているはずだ。
「やかましいのが楽しいのかなあ」
「もうっ。ちょっとはお立場も考えていただかないと」
「はいはい。晶妹は太子師傅よりうるさいな」
「師傅どのが、甘いのでは?」
率直に臆せず話す晶鈴が、隆明にとって一番居心地の良い相手だと改めて思う。もう少し一緒に過ごしたいと思う頃、正午の鐘がなる。
「もうお帰りにならないと」
「そうだな」
するっと立ち上がり、名残惜しそうに隆明は部屋を一通り眺める。
「何か、欲しいものはないか?」
晶鈴は笑んで首を横に振る。隆明も返事がわかっていて聞いた。この穏やかな時間がもう少し欲しいだけだった。
「だめだめ。儀式が控えてるのでもし怪我でもしたら……」
「はあっ。つまらん」
「儀式が終れば遠乗りもできますし、もっと楽しいことがお出来になりますって」
「例えば?」
「えーっと。もっといろいろな演奏や舞踊を観たりととか」
儀式が済めば、国中が賑やかな祭り状態になるだろう。すでに数多の舞踊団が、披露のために鍛錬しているはずだ。
「やかましいのが楽しいのかなあ」
「もうっ。ちょっとはお立場も考えていただかないと」
「はいはい。晶妹は太子師傅よりうるさいな」
「師傅どのが、甘いのでは?」
率直に臆せず話す晶鈴が、隆明にとって一番居心地の良い相手だと改めて思う。もう少し一緒に過ごしたいと思う頃、正午の鐘がなる。
「もうお帰りにならないと」
「そうだな」
するっと立ち上がり、名残惜しそうに隆明は部屋を一通り眺める。
「何か、欲しいものはないか?」
晶鈴は笑んで首を横に振る。隆明も返事がわかっていて聞いた。この穏やかな時間がもう少し欲しいだけだった。