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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第75章 75 懐妊
星羅は優々を連れてゆっくり歩いて屋敷に戻った。あいにく屋敷は、実家よりもずいぶん軍師省に近いので馬に乗らなくても歩きで十分ではある。
明樹が僻地に赴任し一人になった屋敷は寂しいと思ったが、腹に子供がいると思うと明るい気持ちになる。
「明日、みんなに知らせに行かなくちゃ」
陸家と朱家に子供ができたことを告げて回ることにする。
「驚くかなあ」
星羅は明樹に文をしたためる。一言、子供ができましたとだけ。その一文をかくとより星羅に子供ができた実感がわいた。
「晶鈴かあさまは、わたしを身ごもった時どう思ったのかしら」
珍しく京湖ではなく実母の胡晶鈴のことを考える。同時に初めて不安というものを感じる。もう自分一人の身体ではないのだと思うと不思議な責任感が沸き上がる。
「酒は飲まないほうがいいかしら」
ふつふつと湧いてくる喜びと不安に高揚感がある。胸の上に手を置き、自身の鼓動を聞く。もう片方の手を腹の上に置く。自分の体の中に二つの命があるのだと思うと、改めて命の不思議さを実感するのだった。
明樹が僻地に赴任し一人になった屋敷は寂しいと思ったが、腹に子供がいると思うと明るい気持ちになる。
「明日、みんなに知らせに行かなくちゃ」
陸家と朱家に子供ができたことを告げて回ることにする。
「驚くかなあ」
星羅は明樹に文をしたためる。一言、子供ができましたとだけ。その一文をかくとより星羅に子供ができた実感がわいた。
「晶鈴かあさまは、わたしを身ごもった時どう思ったのかしら」
珍しく京湖ではなく実母の胡晶鈴のことを考える。同時に初めて不安というものを感じる。もう自分一人の身体ではないのだと思うと不思議な責任感が沸き上がる。
「酒は飲まないほうがいいかしら」
ふつふつと湧いてくる喜びと不安に高揚感がある。胸の上に手を置き、自身の鼓動を聞く。もう片方の手を腹の上に置く。自分の体の中に二つの命があるのだと思うと、改めて命の不思議さを実感するのだった。