この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第90章 90 交換
軍師省に届けられた書状には、陸明樹とその夫人星羅を、朱京湖と交換したいという内容が書かれてあった。更に、交換に応じれば、華夏国の飢饉に食料の援助も申し出ると書かれてある。しかし断れば、もちろん明樹と星羅の命はないし、いつでも出撃の準備ができていると脅迫文もあった。華夏国の飢饉がすでに西国に知られているようだ。
星羅の養母の朱京湖を西国が欲するのか理由が分からない軍師省は、朱家に赴き状況を話す。使者には、星羅と親しい郭蒼樹が出向いた。
なかなか帰ってこない星羅の代わりに、郭蒼樹が訪れると、京湖は悪い予感が当たったような表情で彼を出迎える。そして事情を聞いたとき、目の前が真っ暗になった気がしてしゃがみ込んだ。
「大丈夫ですか」
「あ、あ、ええ」
郭蒼樹は京湖の手を取り、椅子に腰かけさせる。
「どうして西国があなたを欲するのでしょうか」
「20年以上経っているのに……」
京湖は震える声でここまで来た経緯を話す。もう古い過去のような話で、自分自身でさえ、なぜ華夏国に住んでいるのか忘れるほどであった。
郭蒼樹も一人の男が20年以上も京湖を手に入れるために画策していたことに驚く。だが、その執着心を京湖には悪いが、なくもないと思っていた。
星羅の養母の朱京湖を西国が欲するのか理由が分からない軍師省は、朱家に赴き状況を話す。使者には、星羅と親しい郭蒼樹が出向いた。
なかなか帰ってこない星羅の代わりに、郭蒼樹が訪れると、京湖は悪い予感が当たったような表情で彼を出迎える。そして事情を聞いたとき、目の前が真っ暗になった気がしてしゃがみ込んだ。
「大丈夫ですか」
「あ、あ、ええ」
郭蒼樹は京湖の手を取り、椅子に腰かけさせる。
「どうして西国があなたを欲するのでしょうか」
「20年以上経っているのに……」
京湖は震える声でここまで来た経緯を話す。もう古い過去のような話で、自分自身でさえ、なぜ華夏国に住んでいるのか忘れるほどであった。
郭蒼樹も一人の男が20年以上も京湖を手に入れるために画策していたことに驚く。だが、その執着心を京湖には悪いが、なくもないと思っていた。