この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第11章 11 太子と王太子妃
「よくぞ参った」

 一言、隆明が言葉をかけ、席に着くと楽団がぞろぞろとやってきて華やかな演奏が始まった。赤い布が取り払われ、大きな広間に大臣たちと、楽団、舞踊団がひしめき合っていることに気づいた李華は驚くが、それよりも隣に座る隆明の存在のほうが大きい。雅な音楽も美しい舞も目に入ってこなかった。美しい太子がまぶしすぎて、李華はまた身代わりであることに心が重くなってくるのを感じた。

「もうじき終る」

 李華の暗い表情を見て、隆明は疲労だと思ったのだろう。いたわる声は優しい。

「ありがとうございます」

 2人のまた奥の席には王と王妃が座っている。変に思われてはいけないと思い、李華は姿勢を正し、舞を楽しんでいるそぶりを見せる。目の前をカラフルな薄絹が、滑らかな弧を描き、花が開いたり閉じたりするような舞踊はとても美しい。今の時代に奴隷も、宦官もなく、舞踊を生業とする者の地位は低くない。裕福な家の娘でも舞踊団に入っていたりする。艶やかな舞姫たちを眺めると、ますます李華は居心地が悪くなる。双子である桃華とは一卵性でそっくりな美貌を持つ彼女だが、あか抜けた都の女性たちには引け目を感じる。そもそもが姉と違った控えめな性格だからだ。ここまで来たからにはとにかくボロを出さず、自分は『桃華』であると言い聞かせた。
/628ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ