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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第96章 96 明樹の死
馬を走らせ、陸家の屋敷についた星羅は、門に白い大きな布が垂れ下がっているのを目にして息をのんだ。
「だ、誰が? 一体」
門番に尋ねようかと思ったがやめて、馬を預け急ぎ屋敷内に入る。以前も同じ光景をここで目にしている。春衣の葬儀の時だった。
「あ、あなた、どこ」
激しく胸を打ち始めた鼓動を抑え、屋敷の中心である広間に向かう。使用人が何人かいるはずだが、見当たらず静かだった。静けさの中に自分の心臓の音だけが響く気がする。白い布が多く垂れ下がった広間に恐る恐る顔を出す。そこには陸慶明とその妻、絹枝、次男である貴晶がいる。貴晶の隣には大人しく座っている徳樹が見えた。4人とも白い着物を着て俯き、押し黙っている。
嫌な予感がする星羅は声を掛けずに、そっと中の様子をうかがう。大きな塗りの位牌の文字が目に入る。
『故男 陸明樹』
「あ、ああ、あっ、あ、あな、た……」
力が抜け、よろよろと入ってきた星羅に徳樹が気づき声をあげる。
「かあー」
その声で、皆顔を上げ、そしてまた俯いた。放心していた絹枝がまたすすり泣きを始める。陸慶明は絹枝の背中を撫でいたわったのち「星羅……」と膝まづく星羅の身体を起こした。
「だ、誰が? 一体」
門番に尋ねようかと思ったがやめて、馬を預け急ぎ屋敷内に入る。以前も同じ光景をここで目にしている。春衣の葬儀の時だった。
「あ、あなた、どこ」
激しく胸を打ち始めた鼓動を抑え、屋敷の中心である広間に向かう。使用人が何人かいるはずだが、見当たらず静かだった。静けさの中に自分の心臓の音だけが響く気がする。白い布が多く垂れ下がった広間に恐る恐る顔を出す。そこには陸慶明とその妻、絹枝、次男である貴晶がいる。貴晶の隣には大人しく座っている徳樹が見えた。4人とも白い着物を着て俯き、押し黙っている。
嫌な予感がする星羅は声を掛けずに、そっと中の様子をうかがう。大きな塗りの位牌の文字が目に入る。
『故男 陸明樹』
「あ、ああ、あっ、あ、あな、た……」
力が抜け、よろよろと入ってきた星羅に徳樹が気づき声をあげる。
「かあー」
その声で、皆顔を上げ、そしてまた俯いた。放心していた絹枝がまたすすり泣きを始める。陸慶明は絹枝の背中を撫でいたわったのち「星羅……」と膝まづく星羅の身体を起こした。