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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第102章 102 袁幸平
軍師省から少し離れたところに星羅は小さな家を借りて住んでいる。陸明樹と住んでいた屋敷は手放し、陸家からも離れた。家の前に、豪華な輿が止まっているのが見える。輿のそばの下男が星羅に気づき、中に声を掛けた。御簾があがり中から明るい色合いの中年の男が出てきた。
財務省の袁幸平だ。星羅よりも一回り以上年上の袁幸平は、仕事もできるが、風流であちこちで浮名を流す伊達男だ。キリっとした眉に柔らかい目じりが女人に好評で、物腰は柔らかいのに強引なところもある。女人を喜ばすことに長け、彼を嫌うことが出来る者はいないだろう。
「おかえり。これから食事を一緒にいかがかな?」
柳紅美と許仲典の結婚式で、星羅を見初めた彼は寡婦であることを気にせず誘う。
「袁殿。待っていらしたのですか? 遅くなってしまったので、今日は……」
「ふふっ。待ち続けた男をすこしで哀れだと思ってもらえたら、付き合ってくれないかな?」
いつも断りをいれるが、うまくかわされ食事にいくことになる。これでもう5回目だった。
「では、着替えてまいります」
「いやいや。今日はもうそのままで。その姿は凛々しくて良い」
「はあ」
「では輿にお乗りなさい」
女人とわかっても軍師省では男装をしている。柳紅美が入ってきてから、男装をやめようかと思ったがそのままにしていた。特に今は、夫の明樹を亡くし、柳紅美も去ったので、仕事中は男装でいることにしている。
財務省の袁幸平だ。星羅よりも一回り以上年上の袁幸平は、仕事もできるが、風流であちこちで浮名を流す伊達男だ。キリっとした眉に柔らかい目じりが女人に好評で、物腰は柔らかいのに強引なところもある。女人を喜ばすことに長け、彼を嫌うことが出来る者はいないだろう。
「おかえり。これから食事を一緒にいかがかな?」
柳紅美と許仲典の結婚式で、星羅を見初めた彼は寡婦であることを気にせず誘う。
「袁殿。待っていらしたのですか? 遅くなってしまったので、今日は……」
「ふふっ。待ち続けた男をすこしで哀れだと思ってもらえたら、付き合ってくれないかな?」
いつも断りをいれるが、うまくかわされ食事にいくことになる。これでもう5回目だった。
「では、着替えてまいります」
「いやいや。今日はもうそのままで。その姿は凛々しくて良い」
「はあ」
「では輿にお乗りなさい」
女人とわかっても軍師省では男装をしている。柳紅美が入ってきてから、男装をやめようかと思ったがそのままにしていた。特に今は、夫の明樹を亡くし、柳紅美も去ったので、仕事中は男装でいることにしている。