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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第121章 121 外交
「蒼樹。太極府で観てもらう?」
星羅はいつもより輪をかけて慎重な蒼樹の様子に、そう提案する。
「いや、いい」
「そう?」
すでに太極府でも占われていることだろう。華夏国と覧山国が友好を結べると結果が出ているので外交を押し進めている。覧山国の罠などであれば、そのように出ているはずだ。
星羅と蒼樹が覧山国に出発する日、兵士の中に亡くなった医局長、陸慶明の息子である薬師の陸貴晶が交っている。
「貴晶さん、一緒に行くの?」
急遽、同行することになっているようで星羅は驚き尋ねる。
「ええ義姉上。同行いたします。大軍師の郭殿から前日にそう言われまして」
「まあ。なぜかしら」
「どうも郭殿が卜術の占師に占わせたところ、怪我人が出る可能性があるとかで。それで僕が選ばれました」
「蒼樹が渋るから、観てもらったのね」
「父親として心配なされたのでしょう」
陸貴晶は父親の陸慶明に似てしっかりとした体格を持ち、母親の春衣ににて利発そうな瞳をしている。今はまだ助手という身分だが、外科の腕前が良いらしく、将来有望らしい。
幼いころは身体が弱かったが、義理の母、絹枝の育て方が良かったのか健やかそのもので、素直な好青年に育っている。
星羅はいつもより輪をかけて慎重な蒼樹の様子に、そう提案する。
「いや、いい」
「そう?」
すでに太極府でも占われていることだろう。華夏国と覧山国が友好を結べると結果が出ているので外交を押し進めている。覧山国の罠などであれば、そのように出ているはずだ。
星羅と蒼樹が覧山国に出発する日、兵士の中に亡くなった医局長、陸慶明の息子である薬師の陸貴晶が交っている。
「貴晶さん、一緒に行くの?」
急遽、同行することになっているようで星羅は驚き尋ねる。
「ええ義姉上。同行いたします。大軍師の郭殿から前日にそう言われまして」
「まあ。なぜかしら」
「どうも郭殿が卜術の占師に占わせたところ、怪我人が出る可能性があるとかで。それで僕が選ばれました」
「蒼樹が渋るから、観てもらったのね」
「父親として心配なされたのでしょう」
陸貴晶は父親の陸慶明に似てしっかりとした体格を持ち、母親の春衣ににて利発そうな瞳をしている。今はまだ助手という身分だが、外科の腕前が良いらしく、将来有望らしい。
幼いころは身体が弱かったが、義理の母、絹枝の育て方が良かったのか健やかそのもので、素直な好青年に育っている。