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華夏の煌き~麗しき男装の乙女軍師~
第13章 13 脈
「こないか……」
「え?」
「俺のところに来ないか?」
「慶明のところに? 何しに?」
「それは……」
「まさか側室になれとか言わないでしょうね?」

 慶明は本当は晶鈴を正室にしたかったとは言わなかった。

「同情してくれるのは嬉しいけど……。もうあなたのお子も生まれるし、私がノコノコ行ったら奥方も困惑するわよ」

 晶鈴の言葉を聞きながら、慶明はやはり彼女にとって友人以上の存在にならないのだと実感する。

「何かできることはあるか?」
「ううん。大丈夫よ」
「せめてこれでも」

 月に一度ひどい頭痛に見舞われる彼女に薬を多めに渡す。

「ありがとう。でもそういえばここの所頭痛がないのよね」
「ん? そうなのか? どれちょっと手を出せ」

 職業柄ついつい脈をとってしまう。晶鈴の細い手首に指を乗せ脈を診る。その脈から異変を感じる。その異変は慶明の良く知っている異変でもあり、胸を痛めるものだった。
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