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真紅の花嫁
第9章 蘇芳の埋火



亮がカウンターを離れた。

ふたりの座るソファに近づき、恋人の顔をのぞき込む。


「気持ちいいんだろ。正直に言いなよ」

綾音は潤んだ瞳をわずかに開けた。

「……こんなの、気持ちよくないよ」

「そうなの? この程度じゃダメ?
   三輪さん、かまわないから、この女にもっといやらしいことをしてやってください」

「おう」

インストラクターは朱い茱萸に舌を這わせながら、シフォンブラウスを脱がし、ピンクのブラジャーを奪っていく。

上半身裸になった身体をまさぐりつつ、綾音の手を無理やり、自分の股間に誘導した。


「いやあっ」

ズボン越しでも、男の昂奮がわかったようだ。
必死に手をどけようとする。


亮がミディアムの髪を撫でた。

「綾音、嫌がっちゃダメだよ。
   ぼくと約束しただろ」

はっと女の抗いが止まった。


亮を見上げ、許しを請うように瞬く。

三輪の股間に触れた手を、そろりそろりと動かした。



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