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真紅の花嫁
第19章 真紅の花嫁


「大丈夫。
  ほんとうの真波は、ぼくだけが知っている」

安心させるように、亮は微笑んだ。


(そう。ほんとうのわたしを知ってるのは、この子だけ)


「好きな時に会いに行くから。
 いつでも、どんな所でも、ちゃんと準備して待っててくれるよね」

「はい」



誓いのキスを待ち構えていたら、亮は自分の指をきりりと噛んだ。

差し出された指先の血玉。
手首には、くっきりと薔薇のあざがあった。


真波は息も出来ず、呆然とそれを見つめた。

以前には、こんな痣はなかったはずだ。
現実が崩れ、法悦に包まれる。


(このひとが…………
  ……亮が、写真の…………)

中学の美術室で見た絵、記憶の底に霞んでいた絵が焦点を結ぶ。




真波はウェディングドレスで跪き、少年の指を口に含んだ。

亮の血が喉を通り、身体に沁みわたるにつれ、白いドレスは徐々に赤く、真紅に染まってゆく。






                (終)

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