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真紅の花嫁
第17章 瑠璃の闇


「ああ、真波さん……
    ……う、くうぅ」

感極まった声に勇気を得て、舌を尖らせてチロチロと肉の丸みに這わせた。

先端に滲んだ透明液が、ちょっとしょっぱい。
牡の興奮がダイレクトに伝わってくる。


はじめての口唇奉仕だった。


ちらっと見上げると、陽介の眼とぶつかった。
いたたまれなくて、すぐにそらしたのに、その後の奉仕に男の視線をはっきりと感じる。



いや、視線はもう一つあった。

備え付けのデスクの上。バッグの影に隠れたビデオカメラだ。

録画ボタンを押したまま、レンズはしっかりとベッドの上に向けられている。
陽介がシャワーを浴びている隙に、真波自身の手で、そこに設置したのだ。



最低の女だと思った。
フィアンセとの行為を、秘かに撮影しようとしているのだから。


脳裏に浮かぶのは少年の笑顔だ。


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