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真紅の花嫁
第4章 萌黄の令嬢
亮はキスをしながら、年上の胸を触りだした。
綾音も拒まない。
他人の秘め事をのぞいている気まずさと同時に、なぜか胸の奥がざわついた。
薄暗い収蔵庫で見た、亮の薄笑いがよみがえる。
(ひとこと注意すべきだろうか)
いや、別に悪事をはたらいているわけではない。
女子大生とアルバイト高校生の恋愛。
職務中にいちゃつくのはどうかと思うが、ふたりとも自分に責任の持てる年齢だ。
仕事以外のことで、わざわざ煙たがられることもあるまい。
(見なかったことにしておこう)
真波は静かにその場を後にした。