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Q 強制受精で生まれる私
第11章 4.5度目
「だからこそです。まずはお体も服も清潔にして栄養を摂らないと、身体に支障を来します。何かの病気が発症してからでは遅いのです。」

「そんなの全部でたらめよ!! 最もらしいことばかり言って、私のカラダのことしか考えてないくせに!! もう騙されるものですか!!」

「…だから落ち着いてと何度言えば分かるんですか!! ご自身でもこのままではいけないこと位分かるでしょう!? 浜園さん!!」

「嫌!! もう話しかけてこないで!! これ以上…私を壊さないでぇ!!」

 嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ全部嘘だ!!
 そうやってまた私のことを面白おかしく壊す気だ。
 聞いちゃダメだ。乗せられちゃダメだ。
 帰れ、帰れ、帰れ帰れ帰れ帰れ帰れぇ!!


「…分かりました。今は一旦引き上げます。仕事がありますから、夕方に食事を持ってまたここに来ます。それまでに心を落ち着けて、必ずシャワーを浴びて、清潔な衣服を着ること。いいですね?」

 先生は私に同意を求めてくるけど、当然それに首を横に振って拒絶する。それをドアの向こうにいる先生は強制だと言わんばかりに、意思表示を確認することなく出ていったみたいだった。右奥の方でガチャリという音が聞こえたと同時に人の気配がなくなり、辺りにしんとした静けさが漂い始める。

 あの男はいなくなった。そう分かっていても私は部屋から出る意志は毛頭なかった。ドアだけ開け閉めして、まだこの部屋にいるかもしれない。シャワーなんて浴びようものなら、その間に戻ってきて襲ってくるかもしれない。もう何も信じられなかった。

「うぅ…ヌメヌメする…嫌よ…あの男の赤ちゃんなんて、嫌ぁ…」

 少しは緊張の糸がほどけたせいか、まだ粘りけを保ち続けている白濁の汚物が、その存在を誇示するかのように暴れて私を苛む。私の最深部を目指そうと蠢き、それに呼応するように中がピクピクと痙攣する。その二重の内部攻撃に思わず身悶えしてしまう。

「早く、何とかして殺さないと…このままじゃ私、本当に…」

 望まれぬ邪悪な命が根付き、その生を芽吹こうと壊れかけの私の生き血をすする。それだけは何としてでも阻止しなければならないのに、この部屋にあるのは今まで着ていた服達のみ。中絶はおろか生理用品として役に立ちそうな物なんか何ひとつ無かった。
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