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Q 強制受精で生まれる私
第12章 4.9度目
「患者様の生命に関わる行いをしたとあっては、担当医として失格です。浜園さん…いえ、浜園様には当院都合として今から退院処置とさせて頂きます。こちらは今まで働いて頂いた分も含めた迷惑料です。退院祝いとでも思ってお受け取り下さい。」

 迷惑料にしては些か額が多すぎる札束を手にした私は、当然喜ぶことがあるはずもなく怒りに任せて強く握り潰す。まるで金さえ渡せば全てが無かったことにできるとでも思い込んでいる先生の態度に、腸が煮えくり返って溢れだす。

「ふざけるのもいい加減にしてよ!! こんな物で今までのことを無かったことにできると本気で思ってるの!?」

「足りませんか? 浜園様には多大なご迷惑をお掛けしましたから、言い値で構いませんよ。いくらご所望ですか?」

「額面の話じゃない!! 億積まれたって貴方に傷つけられた身体は戻りはしない!! 何をしたって貴方が私にしてきたことを、私は絶対に許さない!!」

「では一体何がお望みですか? 私を未来永劫牢屋に閉じ込めることですか? 私の死、そのものですか? 」

 数日前の私だったら間違いなく先生の言う通りのことを望んでいただろう。だけどいくら向こうが心から反省していようと、絶対に先生は自首なんかしないし、自決なんかしないだろう。そんなことをする位なら、最初から見ず知らずの女を壊してしまう程に犯すはずがない。

 そんなことは当に分かりきっている。だから私はそれよりももっと大きい不安…このお腹の中から望まぬ生命が産まれ出るのではないかという、どこまでも深い絶望を取り除くために、切実な願いを口にする。

「…下ろしてよ。お腹の中の赤ちゃん。いるんでしょ? 私の中に…」

「…さぁ? いくら専門である私とはいえ、検査しないことには何とも言えません。見た目の変化だけでは判断のしようがないですし、そもそも今の浜園様にはそのような変化は見られませんが。」


「冗談も大概にしてよ…あれだけ中に出されたのよ。危険日なのにも関わらず…できていない訳がないじゃない!! 何でも言うこと聞いてくれるんでしょ!?」

 先生は椅子に座り直して、両手で顔を覆うように机に膝をつき、大きな溜め息をつく。その態度から何がなんでも本来の目的…私を孕ませるということだけは達成したいという魂胆が見て取れる。
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