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Q 強制受精で生まれる私
第12章 4.9度目
「…それはできません。」

「どうして!!」

「中絶なさりたいのであれば他の病院をあたって下さい。お渡したお金があれば、例え保険証が無くても全額負担を賄うことくらい造作もありませんよ。」

「そんなことは聞いてない!! どうして貴方じゃできないのかを聞いているの!! 下手な言い訳なんかしないで正直に答えなさいよ!!」

 立場が逆転したかのように先生は目を伏して黙りこくってしまう。どれだけ強く請求しても一向に期待する返事が返ってこない先生に、私はただひたすら業を煮やす。納得のいく答えが返ってくるなんて最初から思ってない。だけど何で私にここまで執着し、何故そこまでして私に自分の子供を宿させたいのか理由を聞かないと私の気が済まない。

「そう…どうしても答えたくないわけ。もういいわ!! …こんなことなら、あのまま死んでやれば良かった。」

「…なんだって?」

「だってそうでしょう? あの時死んでいれば、貴方の目的は達成されずに途絶えていた。そうすれば今までやってきたことが全て水の泡。いい気味よ。」

「本気で言ってるのか…それ?」

「こんな大金だけ渡して、私にこれからどうしろって言うの? 自分が何者かすら分からないのに。帰るべき場所も、待ってくれる人がいるかも分からないのに、貴方は全部無かったことにして私に絶望をさまよえって言うんでしょ? そんな目に合うなんて分かってたら…あの時に死ねば良かったんだわっ!!」

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