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Q 強制受精で生まれる私
第13章 5.0度目
「おい、何してるんだよ。俺達も入るぞ。」

 さっさとヤらせろと言わんばかりに苛立ちを含んだ声で部屋に招かれた私は、しばしの間インテリアに見惚れる。大きくも可愛らしい丸型のベッド。一面ガラス張りの壁に貼られた白馬のウォールステッカー。それらを静かに際立たせる暖色のシャンデリアランタン。おまけにカーテンから漏れる昼下がりの日差しが部屋の雰囲気と合わさって、きらびやかな西洋の絵画を見た時に似た高揚感が沸き上がる。

 だがその夢心地な気分も軽快なブザー音と共に脆くも崩れ去る。音が止んだかと思うとすぐさま背後からカチャリと鍵が閉まる音が響き渡る。優しいアンティークの世界に不釣り合いなその金属音は、ここが醜悪な魔物達による性の捌け口として使われる牢獄である事実を私に突き付けてくる。

「おいおい、エアシューターがあるとか昭和かここは? 支払い方法分からんだろうな、アイツ。後で連絡してやるか…おい!! ボサッとしてねぇでさっさとシャワー浴びてこいよ。」

「私が浴びている間に何かしようと思ってないでしょうね? 正直な話、さっさとやることやってお別れしたいんだけど?」

「汚ねぇ女とヤる趣味は俺にはねぇんだよ。いいからさっさと入りやがれ。じゃないと酷いぞ?」

 男は拳で自身の手の平にスパーリングして、暴力で私を従わせようとする。そんな遠回しの脅しなんかしないでさっさと煮るなり焼くなりすればいいのにと呆れながら、私は勧められるままにシャワー室へと入る。

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