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Q 強制受精で生まれる私
第13章 5.0度目
 最初の一歩は何故か闇の方へ足が出る。次の一歩も。そのまた次の一歩も。どういう訳か光輝く世界ではなく、引力に引っ張られるかの様に暗い闇の世界へと向かってしまう。まるで誰かに操られたマリオネットの様にフラフラと覚束ない足取りで、点々と照らされるスポットライトを目印に歩を進める。

 眩しい場所から遠ざかる足取りはさながら幽霊みたいだなと思い立った矢先、私は何故こんな所にいるのかをようやく思い出すことができた。

 そうだ。私は幽霊…つまり、死体なんだ。何故か動いているけど、本当は死体っていうのは動いてちゃいけないんだ。
 
 死体っていうのは…そう。おとなしくお墓に眠っていなきゃいけないものなんだ。
 私はお墓に…家に帰らなくちゃいけないんだ。

 でも、そもそも私にそんな場所あったっけ…
 
 答えが見つからないままフラフラと歩き続けた私は、長い旅路の果てに、ある建物に辿り着く。そこから先は明かりはなく、どうやらここが終着点みたいだ。

 一軒家にしては小さい家の表札には『佐渡産婦人科』と書かれているのが、闇夜に慣れた目で僅かに読める。窓ガラスからはどういう訳か青白い光がぼんやりと漏れ出している。ドアに手をかけると鍵は閉まっておらず、まるで誰かを待っていたかのように簡単に開いてしまった。

 先生…いるの…かな…
 幽霊の私は音も立てずに入り口のドアを開け、何故か「ただいま。」と小さく呟いて中に入る。


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