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Q 強制受精で生まれる私
第5章 2.0度目
「…なにをするつもりですか?」

「あはは。気をやってしまい、お忘れになりましたか? 浜園さんの治療を再開します。昨日の処置で幾つか改善点が見つかりましたので、今日はそれを試させて頂きます。」

 身の危険を感じた私はすぐに俯せになり、胸と陰部を隠す。股を固く締めて、シーツをつかんでうずくまる。臨戦態勢を取るものの、性欲は相変わらずたぎる一方で、その姿は取っている自分でさえ情けなく思えた。先生はベッドに座ると、ホワイトボードに何かを書き込んで私に見せてくる。

「さて。前回の反省点ですが主に二点あります。まず一点目ですが、浜園さんは今でこそ充分ではありますが、本来は濡れにくい体質をお持ちだと思われます。その証拠に膣壁が裂けて出血させてしまいました。あの時は私の配慮が至らず、申し訳ありませんでした。」

 謝る所が違うし、そもそも配慮以前の問題だといつもなら反論する所だけど、動悸が激しく上手く言葉にできない。先程から薬物でもやったかの様に気分がハイになり、よく分からない焦燥感に苛まれる。

「私が、ぬ、濡れることと貴方の強姦に、なんの関係があるんですか!?」

「大いに関係あります。膣内、浜園さんの中はpHが酸性に保たれています。これで病原菌等の繁殖を防いでるのですが、男性の精子はアルカリ性環境下で活性を持ちます。つまり、精子が活動するためには膣内のpHをアルカリ性に変える必要があり、そのためにはアルカリ性の膣頸管液を分泌してもらわなければならないのです。」

 『ぴーえいち』だの『なんとか性』だの難しい単語を連発され、頭が混乱する。さも知ってて当然の様に説明されるが、今の私では理解する余裕すらない。先生もそれを悟ると不意に口を手で抑えて、一呼吸した後に、「要は、ご懐妊のために浜園さんには沢山感じてもらい、達して頂くということです。」と簡潔にまとめてくれた。

 「感じて…達して…」と小さく呟くと、先生は「何度もイってもらうということですよ。」と耳元で囁いて、羞恥心に追い討ちをかけてくる。

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