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Q 強制受精で生まれる私
第8章 3.0度目
 音を切っているに違いないと先生に言い返そうとすると、いつの間にか先生の手には別の機器が握られていた。

 それは丸いアイスクリームみたいな頭を持つ、ねずみ色の機械だった。マイクの頭と持ち手部分を少し引き離した様な形をしているそれは、記憶を無くした私でさえ何故か見覚えがある物だった。病院には不釣り合いな予想外の物に一気に脳まで血が退いていく。

「待って…それは医療機器じゃないでしょ!! 何でそんな物がここあるの!?」

「おや、何も憶えていないと言う割には電マは知っているのですか。体を視ただけでは分かりませんでしたが、浜園さんは恐らく無類のセックス好きだったのでしょうね。」

 これで何をされるかなんて一目瞭然。私がそれを取り上げるよりも先に、先生は片手で私の両手首を掴み台に固定する。挿入されるのではと思う程体を股先まで近付けて、足で蹴られないように寄せてくる。憎き陰茎よりも二回りも太い物を押し付けられ、私は一瞬で万事休すと悟る。

「お願い…お願いそれだけは嫌ぁ!!」

「元々電マは女性のヒステリックを緩和するために作られた立派な医療機器です。今の浜園さんにはピッタリですよ。」

 瞬間、ビィーンという鈍いバイブ音が部屋中に木霊する。地獄行きのスイッチが押され、私の股ぐらで暴れまくる。

「うああああぁっっー!!」

 性器ごと体を揺らす強烈な刺激に、視界が瞬時に上下へと動く。大地震を思わせる様な人工的な猛威に私は為す術なく、ただひたすらこの揺れに耐えるしかなかった。脳までガクガクと揺すられ、意識が早くも真っ白に染まりつある。

「はうぁっ!! あっあ、あふぇあぁああっっ!!」

 涎を撒き散らしながらよがり狂う。先生が何か言っているが、ヴィィという音にかき消されて聞き取れない。

 霞む視界の中で、先生はいつの間にか別の何かに変わっていた。それは例えるなら悪魔と呼ぶのが相応しい。悪魔はヴィイーンという羽音をかき鳴らし、愚かな私を鷲掴み、堕落させんと底無しの淫獄へと引きずり込む。

「ひああぁっー!! イク、いぎぃ!!あ"あ"あ"あ"ー!!」

 揺れる。灼ける。燃やされる。何もかも。
 逃げられない。堕ちていく。塗り潰される。
 イク。イカされる。すぐイク。イッテしまう。
 何度でもイク。イキまくる。イキ続ける…
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