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聖愛執信、或いは心中サアカスと惑溺のグランギニョル
第6章 心中サアカスと惑溺のグランギニョル
 この後に来る感覚はもう知っている。知っている、はずなのに、何かが違った。

 入ってきている。

 知識として、知らぬわけではない。膣、と呼ばれる部分に。おそらく、陽色の舌が。粘膜から湧き上がる感覚のあまさに、抑えきれぬ甲高い声が上がった。

 絶え間ない刺激で、性粘膜はぽってりと膨らみ、熱を帯び、とろりと蜜を零した。陽色はそれを、じゅる、音を立てて啜り上げ、自らの唾液と混ぜてのみくだす。

 長い睫毛を柔らかに震わせ、形のいいくちびるをあられもない場所にくっつけて、性の気配など感じぬうつくしい顔を紅潮させて。はしたないことを平気でする陽色に、くらくらした。子どものようにあいらしい言葉を吐くきれいなくちで、性器を慰めている。蕩けるような酩酊感。はじけるように痙攣するのを、陽色は関節をかためておさえた。

 あまい感覚が、かつてのそれと重なる。

 お人形にはありえない息遣いが、体温が、熱が、ゆっくりと、沁み込んできた。ちゅぷ、ぐちゅ。泡がつぶれるような、淫猥な水音。それはうつくしい音楽だけを耳にいれるよう努めてきたリオにとっては、あまりに下劣で、あまりに卑猥で、あまりに、興奮、する。

「は、ん、ンン、ぁ、きもちい、きもちいい、ッ!」
「ふ、ン、」

 ひとしきり満足したのか、陽色の顔が離れる。あまくて、おいしいな。明らかに真実ではないことを、彼は朗らかに云い募る。リオがくちを開く前に、充血したくちびるは胸に、鞣革のように柔らかな指は秘所に、そえられた。そえられた、だけ。触れるか触れないか、あまくて、じれったい、刺激。

「は、ぁあ、ァ、きもちい、ん、う、」
「あのね、あのね、リオ、おれね、あんたが、すき、」
「ぅう、ァ、わた、わたし、も、」

 陽色は、骨ばって冷たいもう片手で、薄い腹をそうっと撫でる。快楽でやわやわと輪郭を崩している頬へ、陽色は、きゅ、と歯を立てた。それなりに強い力で噛んだとは思ったが、傷ひとつ、痕ひとつ残っていない。
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