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第82章 ３日目・午後４　新たな脅迫者

綾子は、もう、
覚悟を決めたようで、
観念するように、
力なく言葉を発した。


「もう、、、わかったから、、、
梨花ちゃんを離してあげて、、、」


しばらくの沈黙。



まだ雨は降り出していないが
空は昼間とは思えないような
ドス黒い雲に覆われ、
時折、雷の閃光が切り裂いている。


その度に、
近くや遠くで雷の音が
響いてくる。


普段は賑やかな学校も
シンと静まり返っている。
保健室の空気も、
いっそう重いものになった。


もう、主導権はショウタくんに
完全に握られてしまった。
梨花ちゃんを助けるには、
アタシから言わなきゃならないのよ、、、
これで、、、いいかな、、、


「アタシが、、、
身代わりになるから、
梨花ちゃんを離してあげて、、」


どんなことになるかは
わからないけれど、
もう、そう言うしかない。


「へぇ〜、身代わりね〜〜〜。
いいですよ、じゃ、それで。
よかったな、梨花、
綾子先生が、身代わりになってくれるってさ」


「だから、お願い、、、
梨花ちゃんは、
帰してあげて、、、
それで、許して」


綾子は、ショウタと二人きりに
なることを選んだ。
それしか梨花を救う道はないと思った。